塾なしで公立中高一貫校の適性検査の受検(受験)対策はできるのか

公立中高一貫校は、授業料が無料であるのにも関わらず、私立中学校並みの授業内容の期待ができます。

しかし、首都圏では倍率が7倍ほどになることもありますので、高額な授業料を支払って塾にいれたら良いのかを迷うところです。

授業料は無料なのに、入学するために大金をかけることができるのは一部のお金持ちだけ・・・。

そうなると自宅学習で受検(受験)にチャレンジしようと考える方も多いかと思いますので、本日は、塾なしで公立中高一貫校に合格できるのか塾は必要なのか、また、どんな学習をさせるのか、などをお伝えしていきます。

 

実際、塾なしで高倍率の公立中高一貫校に合格している人はいるのか

はい。おります。
前述の通り、授業料無料を狙って公立の中高一貫校に行くわけなので、なるべくお金をかけないで受検(受験)をするご家庭は、一定数おります

また、うちのように「私立と併願するわけでもない、倍率7倍・・・。絶対に受かる約束がない限り無駄な出費になるよね。」というご家庭もあるかと思います。

そして、「塾なし」の選択は、公立中高一貫校の試験内容にも関係してきます。

公立中高一貫校の場合は「適性検査」という生活に根付いた少々特殊な問題が出る試験となりますので、私立向けの詰込み暗記型を進学塾で勉強したからと言って、必ず合格できるものでもないのが理由です。

 

なぜ私立向けの勉強では公立中高一貫校の適性検査対策は難しいのか

私立は、応募者をふるいにかけるために、小学校では習わない問題が出てきます。
なので、公式を覚えるような詰込み型の勉強になります。

試験内容としては、国語は国語、算数は算数と言ったように国算社理を別々に実施します。

一方、適性検査は、国算社理が混ざった問題になっており「小学校で習った知識しか出ません」と言われているものの、以下のようなものを求められます。

 

適性検査で求められること
  • 論理的に考える力
  • 表現する力が
  • 発想力

 

試験問題はかなり難しいですし、詰込みでなんとかできません。

 

数ある私立の情報を親が手に入れるのは困難なので私立の受験では塾は必要です。

ただ、公立中高一貫校は限られていますし、私立のように偏差値が低い学校も併願すればほぼ100%合格するわけではありませんので「塾なし」の選択にもなるわけなのです。

 

どんな問題が適性検査に出てくるのか

受検(受験)をする公立中高一貫校によって傾向はありますが、適性検査は、国算社理が混ざった問題になっており、生活に根付いた問題も出てきます。

 

適性検査の例
  1. 「りんごの皮を上から円を描くように向いて行ったら、最終的にはどんな皮の形になるのか」
  2. 「スーパーのレシートで、今回は何ポイントつくのか」
  3. 「レンタルショップで会員になった方が得なのか、非会員の方が得なのか」

 

1に関しては、日ごろお手伝いをしている子なら簡単かもしれませんね。

適性検査に向いている子と言えるでしょう。

もし、お手伝いをしていなかったとしても、根気よく想像ができる子であれば解ける問題です。

2も3も同じですね。

自分のお金で買い物をしていなかったとしても、親について行って、世の中のことを学んでいるのかいないのかで変わって来ます。

問題文も小学校のテストでは見たことがないような非常に長いものです。

チャレンジ精神があり将来有望な子を必要としているので、長文をあきらめずに読み解く力を求められております。

 

ただ「長文が嫌いなうちの子は向いていないわ」と思わないでください。

学年が上がるにつれて長文を読むことができるようになりますし、何よりも訓練で可能です。

息子は最初はZ会の長文を解くのにとても時間がかかっていましたが、今では「このぐらいなら10分で解ける(読める)」との感覚が持てるようになりました。

なので、「うちの子は適性検査に向いている子なのか、向いていない子なのか」はあまり考えなくて良いと思います。

 

ちょっと話がズレましたがこのように、小学校の勉強が生きて行くための知恵になるような問題が出てくるのが適性検査なので、「塾なしでチャレンジしようかな」と言うことにもなります。

 

グループ活動を求められる適性検査も

公立中高一貫校の適性検査にグループ活動を取り入れているところもあります。
「テーマに沿ってグループで話し合い、自分の考えを書く」と言ったようなものですね。

発表がイマイチだったグループの子が全て合格しなかったという話も聞きますので、「運」が左右することも・・・。

ただ、頭が良くても性格に難がある子供は入れたくないのが見えます。

詰込みでその時だけ点数が良い子供なのか、今後も意欲を持って勉強ができる子供なのかなどを見られ、自分の学校に欲しい子供なのかの判断がされていると考えて良いでしょう。

 

公立中高一貫校では調査書(内申書)も重要

公立中高一貫校の受検(受験)の場合は、小学校に調査書を書いてもらいます。
私立とは違い、内申書の点数も気にしなければなりません。

やはり、税金を使って教育をしているわけですから、頭が良くても性格に問題があるお子さんはご遠慮願いたいですよね。

ということで、小学校での成績や態度も受検(受験)時の点数に加算されるわけです。

このように適正検査は、知識のテストではないので「えっ?なんでA君が落ちて、B君は受かったの?」が当たり前になるのです。

これが、「公立中高一貫校では偏差値がアテにならない」と言われる理由ですし、塾もあてにならないと「塾なし」も選択肢に入って来るわけです。

 

超難関私立中学校に対応している進学塾であれば公立中高一貫校に合格できる?

超絶頭が良い子は論理的思考ができますので、適性検査は問題なく解くことができます。

ただ、超絶頭が良い子はいわゆる「天才」なので、なかなか世の中におりません。

小さい頃は「うちの子、天才!」なんて、夫もよく言っておりましたが、普通は凡人に育ちます。

そうなると、小学校高学年ともなるとコツコツ勉強をしている子の方が学力が高いと思いませんか?

 

先ほど、私立中学の受験の場合は詰込み型とお伝えしましたが、高い偏差値の難関中学校おいては単なる知識の詰込みだけでは合格できません。

高度な思考を求められます。

そうなると、難関中学校を受験する場合は、常日頃からコツコツと勉強をし、「なぜこうなるのか?」といったことを考える訓練をして行きます。

その結果、適性検査にも対応できるようになるので、難関中学校狙いの子の併願に公立中高一貫校の名前があがるわけです。

 

「じゃあ、超難関私立中学対応の進学塾に入れればいいじゃん」と思われた方もいらっしゃることでしょう。

しかし、超難関私立中学対応の進学塾の場合、以下のようなことが待ち受けています。

 

  • 人口密集地にしか塾がない
  • 授業料がとても高い
  • 寝るのが夜中の1時

 

夜中の1時に寝る生活を強制できますか?

学校から帰宅→塾→塾から帰宅→塾の宿題 で夜の1時に寝るような生活をして、難関私立に合格した話も聞いています。

人間は、眠っている時間に脳の中で情報の整理をしていると言われています。
なので、睡眠は記憶の定着にとても必要です。

睡眠不足はとても効率が悪く、うつ病なども引き起こしかねません。

公立中高一貫校への合格のためにどこまでやらせるのかは各ご家庭の方針にもよるのですが、うちの子は、小学校5年生ですが夜8時過ぎになると眠くなります。
そんな子に対して、夜遅くまで塾通いをさせるのは酷だなと思ってしまいますので「塾なし」を選択することになります。

あと、夜中まで起きていたら、当然、昼間は眠くなりますよね。

難関私立の中学受験を目指す中には、塾に備えて昼間の学校の授業を寝ている子もいるそうです。

ただし、小学校の授業中に寝てしまったら、調査書の点数が低くなってしまいます。

そうなると、公立中高一貫校の受検(受験)にとっては、マイナスに働いてしまいかねません。

 

学費を浮かして環境が良い授業を受けるために公立中高一貫校に入ってもらうのに、塾に高い授業料を支払うのは本末転倒だと感じてしまいます。

塾に高い授業料が支払えるならば、公立中高一貫校ではなく、お子さんに合った私立をターゲットにした方が良いのでは?と感じます。

 

進学塾は公立中高一貫校受検に対してどう対策するのか?

 

適性検査において、公式を知っていれば早く解くことができる問題も出るかもしれませんので、私立用の勉強も無駄ではないでしょう。

ただ、知識の詰込み型だけですと想像力がなく、解けない問題が出てくる懸念もあります。

 

塾は、利益を出さなければなりません。

公式を覚えさせるだけの授業と、「考える力」を子供につけさせる授業、どちらが大変でしょうか?

「考える力」を子供につけさせる授業ですよね。

 

そうなると、生徒を何人も抱えている大手チェーン塾では対応が難しくなりどこまで対策してくれるのかが疑問になります。

大手チェーン塾へ、4年生~6年生の3年間通わせるとなると500万円ほどかかります。

 

公立中高一貫校は、公立の併願ができないルールです。

私立のように、「2/1に第一志望の○○中学校で試験があって、2/2に第二志望の○○学園の試験があって・・・」とはできません。

私立は、偏差値を下げれば入れるところは見つかるでしょう。

そして、併願するのが当たり前です。

私立の併願がない場合は、公立中高一貫校の1校だけの受検(受験)になります。

 

受検(受験)に落ちた場合は「500万円が無駄!」というクレームに発展するかもしれません。

このような状況を見ると、公立中高一貫1校だけの受検(受験)の場合は、クレームに発展しやすいので大手塾も本腰を入れたくないのが本音だと考えた方が良さそうです。

公立中高一貫校に特化した塾もありますが、「7倍」の学校に塾生全員が合格できるわけではありません。

この現実を親がどう受け止めるかが大切です。

例え、「合格しなかったとしても中学に向けて学力の向上をしておく」ならば塾に入っても良いと思いますよ^^

 

私は「塾なし」信者でもありませんし、進学塾を否定しているわけではありません。

本人のやる気次第では相当の学力が上がる可能性は非常に高いので無駄ではないと思います。

ただ、全面的にバックアップができないならば、思い詰めて受検(受験)しない方が、お子さんにもお父さんお母さんにの精神にも良いと思ってしまうのです・・・。

 

このぐらいの気持ちで受検(受験)しよう
  • 公立中高一貫は、受かったらラッキー
  • 塾に入る受験生活は高校受験から

 

もし、公立中高一貫校のために塾を選ぶならば、細かいケア&公立中高一貫も対策している個人塾を私は選びます。

 

公立中高一貫校受検を塾なしで対策できる適性検査の通信教育はあるのか?

お金をかけない、睡眠時間を確保する「塾なし受検(受験)」となると、通信教育が視野に入って来ます。

Z会

Z会公立中高一貫校の対策テキスト

 

子どもが実際にやっている公立中高一貫校の対策は、Z会の専科です。

公立中高一貫の適性検査専用の講座になりますが、この講座単体でも受講可能です。

本屋でZ会の算数ドリルを見つけたのが、Z会との出会いでしたが、私目線で「良い問題!」と感じていたので、適性検査対策として利用することになりました。

難関国私立中学用の講座もあります。

難関国私立用の問題は、詰込みではなく「なぜそうなるのか」を訓練をされています。

そのため、難関国私立のお子さんが公立中高一貫を併願した時には、合格率が高いと言われております。

 

ちなみに知人の公立中高一貫校に入っているママさんがおりますが、「最初はうちもZ会をやっていたけれども難しくてとても無理だった。」と言っておりました。

そのママさんの子は塾に入って公立中高一貫校に合格をしましたが「難しいならやってみる価値はある!」と私は変な自信がつきました笑。

でも、難しいです。おしえる親は超大変です。

難しいということはZ会だけで合格することも可能かもしれませんが、まんべんなく適性検査を問いていくので受験(受検)校の過去問対策はやってくれません。対策をするのは親です。

なので、お金があって必ずしも公立中高一貫校に受からなくても良いご家庭には、塾をおススメします。

※Z会の適性検査講座については別途記事を書く予定です。

進研ゼミ「考える力・プラス講座」5・6年生

【進研ゼミ小学講座】の四教科の適性検査と作文がセットになった講座です。

映像授業もあります。

むぎっ子広場

公立中高一貫校適性検査専門の通信教育です。
受検(受験)のための基礎知識など、親が勉強になる情報もあります。

公立中高一貫校対策センター

映像教材もあります。YouTubeでデモンストレーション動画を見ることができます。

e点ネット塾

サイトのバナーを見ると「福岡」の文字が目立ちます。
九州の公立中高一貫であれば、検討してもよいかもしれません。

学研

「公立中高一貫校適性検査の通信教育がある」という情報が出回っているかと思いますが、数年前からなくなりました。

四谷大塚

こちらも2021年度になくなりました。

 

公立中高一貫校受検を塾なしで対策できる作文通信教育はあるのか?

公立中高一貫校の適性検査では、作文を書かせることも多いです。

作文がなかったとしても、記述式の問題も出ますので、対策が必要です。

 

こんなテーマの作文が出ます
  • 半年以内で自分が気になったニュースについて、説明と自分の考え
  • 増加している自転車事故の原因と対策
  • ボランティア活動の経験や思うこと

 

お子さんの作文、読んだことありますか?

誤字脱字、同じ表現の繰り返し・・・。

うちは、こんな感じでした。

作文に関しては知識だけで対策するのは難しく「書かないと上達しない」わけですが、市販のドリルでは難しいと感じました。

この記事をお読みになっているそこのママさん、作文添削、できますか?

私は無理です。

ということで、作文の通信教育を受けることにしました。

 

ブンブンどりむ

大ベストセラー『声に出して読みたい日本語』の著者である齋藤孝先生が監修した通信教育です。

このブンブンどりむは段階を踏んで説明しているのがわかりやすいと感じ、家庭学習をすることに決めました。

作文に苦手意識がある息子にとって、イラストが多く楽しんでできるのが良いようです。

赤ペン先生もとてもわかりやすく、びっしりとコメントを書いてくれます。

 

月のテキスト以外でも、子供向けのニュース雑誌や適性検査に通じる問題など、作文だけではない学習もできます。

また、下の写真のような課題図書も送られてきて、作文を書くという回もありますので、何を読ませたらよいかわからないお父さんお母さんにとっては、書籍選びの参考になりますね^^

 

課題図書

Z会 専科作文5年生・6年生

Z会の公立中高一貫校適性検査ではお世話になっていますが、作文が苦手なうちの息子には、シンプルな紙面が合わなかったようです。

あわせて読みたい

進研ゼミ「作文・表現力講座」

2か月に一度の送付となりますので、どんどんやらせたい場合は物足りないかもしれませんね。

この他にも、通信教育はありますが、添削してくれる赤ペン先生のことを考えると進研ゼミのような大手の方が良いと思ってしまいます。

規模が小さいサイトですと受講する子も少なく、赤ペン先生の経験値も少なくなってしまいますので・・・。

塾なしで公立中高一貫校受検用の通信教育だけで対策ができるのか

対策はできます。

でも、何度もお伝えしておりますが、塾なしでも塾ありでも必ず合格できるわけではないのが公立中高一貫校の受験(受検)です。

お子さんの性格も考慮してあげて下さい。

勉強好きでどんどん知識を吸収するタイプであれば、テキストを与えるだけでも大丈夫でしょう。

(そういう子は知識詰込み型の方が向いているとの見方もできます。)

ただ、ほとんどの子が親の管理がないと家庭学習ができないと思います。

まだ、小学生ですから(^^;)

「塾なし」の場合は、学習を見張ってくれる人はお父さんお母さんになります。

そうなると、以下のような補助は必要になります。

 

必要な補助
  • 学習の計画を立てる
  • 進捗状況を確認する
  • さぼっているようなら声をかける

ちなみに、塾に行っても親の管理は必要です。

宿題、模擬試験の申込、等々やることは山積みです。

これが「中学受験は親の受験」と言われる理由です。

中学生が受験をする、高校生が受験をするとはわけが違います。

 

親のサポートは必須だと思ってください。

そして、激しいバトルも・・・。

うちは、子どもが決めた受験(受検)なので子どもが主体的に動かないとイライラします^^;

・スケジュールが作成できない→ママが作る→本人にOKをもらう→やらない→バトル

・やっぱりスケジュールが作成できない→ママと一緒に作る→本人に署名をしてもらう→やらない→バトル

こんな感じです。

ただ、バトルを繰り返すとスケジュール通りやろうとするようになってきました。

親との締め切りだとなぁなぁになりがちです。

 

なので、お子さんの通塾の負担や親の負担を考えるとオンライン家庭教師も候補にあがってきますね^^

プロを指名出来るオンライン家庭教師なんてサービスもあります。

実際に足を運ぶ進学塾もですが、先生との相性は大切です。

例えば、プロを指名出来るオンライン家庭教師のマナリンクでは、お子さんに合った先生を指定でき、教材の購入もないので「わからない所だけを聞く」ことで効率的な学習もできます。

最後に

本日は、公立中高一貫校の受検(受験)において、塾は必要なのか、塾なしならばどんな通信教育が良いのかなどを経験をふまえてお話しました。

公立中高一貫校の受検(受験)情報はとても少ないので、今後も発信していきます。

ご参考になれば幸いです^^

 

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