【小学生の自由研究のやり方!】テーマからまとめ方まで

自由研究と息子

小学生の夏休みの課題の一つ「自由研究」。

夏休みの課題を子ども自身で選ぶ形式の学校の場合は「自由研究をやらない」という選択もできます。

しかし、中学受験を予定しているのであれば、受験に出やすく子供が苦手とするテーマを自由研究に選ぶことで、受験勉強に役立てることもできます

本日は、現役の慶応生であり大手進学塾や家庭教師として、中学受験のお子さんへ勉強をおしえている「ハル助さん」に中学受験にも生かせる自由研究のやり方について聞いてみました。

 

最後の方には、息子が自由研究をどんな風にまとめて行ったのかは「実際にまとめる場合の手順」として写真付きで詳細な手順も記載しています。

 

是非、お子さんと一緒に読んでみて下さいね^^

 

自由研究のテーマの考え方は?

 

こんにちは、現役塾講師のハル助です。

いよいよ夏休みが始まる季節となりましたが、今回は夏休みの定番の宿題「自由研究」のやり方について解説していきたいと思います。

また、「ウチの子の自由研究、どうやって手伝ってあげればいいだろう?」と疑問を持つ保護者の方々にも、きっと役に立つことでしょう。

この夏は面白い自由研究をして、みんなをあっと驚かせましょう!

 

自由研究をやるメリット

自由研究のやり方を見ていく前に、小学生はどうして自由研究をやったほうがいいのかを知っておきましょう。

ここでのポイントは「自由研究」という言葉です。

つまり、テーマを「自由」に考えて、それについて「研究」していくということが小学生の学習面と生活面にとってメリットがあるのです。

「テーマを自由に考える」ということは発想力や独創性を養ういい機会となります。

 

例えば、普段の日常生活で疑問を持ってみたり興味を持ってみたりすることは、それについて自分の力で考えてみることの出発点となるのです。

「自分の力で研究する」ということは自主性や問題解決力を身につけていくのに非常に効果的です。

いつもの授業では、結論が既に出ている問題について考えていくのですが、自由研究では結論を自力で探すということが必要となってきます。

自由研究はこうした力を身につけるのには最高な機会であるため、是非しっかり向き合って取り組んでみてください。

 

それでは、自由研究のやり方について、まずはテーマの考え方から見ていきましょう。

小学校の低学年と高学年に分けて、テーマをどうやって決めればいいかのポイントを解説していきたいと思いますので、まずは低学年(小学1〜3年生)向けのお話をしますね。

 

<低学年向け>テーマの考え方

低学年(小学1〜3年生)の小学生は、とにかく「普段の生活から疑問に思ったこと」をテーマにするのがいいかと思います。

例えば、「マヨネーズはどうやって作るのだろう?」といったことや「どうして海ではプールに比べて体が浮きやすいのだろう?」といった普段何気なく素通りしていたことについて、改めて疑問を持ってみると良いでしょう。

また、もし自由研究のテーマがなかなか思いつかない状態であったら、保護者の方からヒントを与えてみるのも効果的です。

「動物について考えてみるのはどう?」「食べ物について考えてみるのはどう?」といったように、あらかじめ保護者の方からテーマの範囲を絞ってあげれば、お子さんは自由研究のテーマを見つけやすくなります。

しかし、ここで注意すべきなのは、大人が自由研究のテーマを設定しないということです。

大人がテーマを決めてしまうと、子どもはただそのテーマに従って調べ作業をするだけになってしまうので、小学生のお子さんがわざわざ自由研究をやる意味がなくなってしまいます。

大人はあくまでヒントしか与えないという姿勢で接することで、子どもは自分の力で考える機会を得ることができるのです。

 

<高学年向け>テーマの考え方

高学年(小学4〜6年)の小学生が自由研究のテーマを決めるときは、学校の理科の授業で習ったことをベースに探してみると良いでしょう。

小学校高学年から扱われ始める理科では液体の沸騰や光の反射といったことを習うので、その内容を応用・発展させてみるとクオリティが高く面白い自由研究となりやすいです。

また、学校の授業内容を基礎としているので、学校の勉強の理解を深め、中学受験にも役立つものとなるでしょう。

実際に、小学生(小学6年生)の私の教え子は、「紙コップに水をいれてコップの底に火をあてると、紙コップが先に燃えるのか?それとも、水が先に沸騰するのか?」というテーマで自由研究をしていました(なかなか面白い結果になりました)。

このように学校の理科で習った内容を応用して自由研究をしてみても、意外と面白いテーマが出来上がります。

 

一方、保護者の方は、たとえお子さんが決めたテーマが面白いものであっても、「これは良い」「これはダメ」といった判断をする必要があります。

というのも、小学校高学年の理科では、火といった危険なものを扱うことが多いからです。

例えば、ものを激しく燃やす実験や酸性が非常に強い液体を扱う実験をお子さんが自由研究でやろうとしていたときは、安全面からやらせないほうが無難です。

もしそれでもやるという場合は、必ず実験中は保護者の方はお子さんから目を離さないようにしてください。

高学年となると自由研究の内容は以前と比べて高度になるので、その分安全面での配慮が必要となることを忘れないようにしましょう。

 

 自由研究の構成を考える

 

自由研究のやり方でやはり悩んでしまうのは構成の書き方でしょう。

面白いテーマが決まると構成も突飛な感じにしたくはなりますが、その必要はありません。

構成はわかりやすくて見やすい無難な形でいくのがオススメです。

そこで、以下では自由研究をまとめるのにオススメな構成を手順に沿って紹介していきたいと思います。

 

タイトル

タイトルは目をひくようなものにする必要はありません。

とにかくわかりやすく、タイトルを見ただけでどういった研究内容かがわかるものにしましょう。

例えば、マヨネーズを作るという自由研究をした場合は、「自宅で簡単に作れる!自家製マヨネーズの作り方」といったタイトルにするとわかりやすく伝わりやすいものになります。

りん

タイトルも含めて、内容をノートや紙に書いておくと下書きのように使えますので便利です。

このノートを「野帳」と言うようなのですが、学校によってはノートも先生に見せるところもあります。

研究のキッカケ・動機

どうしてその自由研究をしようと思ったのかということを短くまとめておきしょう。

偶然の思いつきであっても本を読んで疑問に思ったことであっても、自由に簡潔に書いておけばOKです。

 

この自由研究で知りたいこと・目的

この研究を通してどういうことを知りたいのかを書いておくことで、この自由研究はいったい何を目指しているのかということが読み手にはっきりと伝わります。

 

必要な道具と方法

ここからこの自由研究のやり方を書いていく本題となります。ここで必要な要素は2つです。

・何を使用するのか(道具)
・どのような手順で行うのか(方法)

また、手順は「①, ②, ③…」 といったように番号を振っていくと見やすくなります。

 

予想

この方法と道具を使って実験をするとどのような結果になるのかを自分なりに予想してみましょう。

そのとき、「この道具を使っているから結果はこうなる」「この方法だからこの結果になる」といったように、なぜその予想を立てたのかという理由まで書いておくと、内容の濃い予想になります。

 

結果

実験の結果どういうものになったのかを正確に書きましょう。

ただ結果はこうなったと端的に書くだけではなく、結果の様子を観察して自分が発見したことを細かく書いていきましょう。

りん

必要な道具と方法の手順を書いたノート(野帳)に実験結果を書き込んでいくとやりやすいですよ。

 

感想

今回の自由研究でどんなことを知ることができたのか、自分の立てた予想と結果はどれくらい違っていたか、自由研究をしていく中で感じたことを感想にまとめておきましょう。

 

参考になった本やウェブサイト、お世話になった人

自由研究をしていく中で役に立った本やお世話になった人についても書いておきましょう。

 

自由研究をどんな方法でまとめるのか

 

<低学年向け>自由研究のまとめ方

自由研究の過程の画像(写真)をたくさん入れたり、カラフルにしてみたりして、見ていて楽しい作品にしましょう。

やっぱり黒字だけで書かれている作品よりも、色のついた作品の方がみんなから注目されやすくなります。

また、小学生の低学年であれば、イラストよりも写真を使うことをオススメします。

写真の方が細かい部分まではっきりと見てわかるので、読み手から見て自由研究の状況が伝わりやすくなります。

もちろん絵を描くことが好きでイラストを描きたいという子は、たくさんイラストを追加していくのもいいでしょう。

 

<高学年向け>自由研究のまとめ方

小学生の高学年であれば、さらに色の使い分けや図での正確な描写を意識していくと評価の高い自由研究の作品になります。

例えば、温度の変化をグラフで表現したり、「力点」「二酸化炭素」といった重要なキーワードに色をつけて強調してみたりすることで、知的な印象を与える作品になります。

また、自由研究の内容を書いていく模造紙にどういった構成で書いていくか、各項目をどのくらいのスペースで使っていくかも意識していきましょう。

これによって自由研究の作品の読みやすさが断然変わってきます。

 

りん

自由研究=模造紙にバーン! って、カッコイイですよね。

ただ、低学年の場合は模造紙を学校まで持って行くのが大変です。

小さく丸めたら「剣」にされてボロボロになってしまいますし、写真を模造紙に貼った時には小さく丸めることができなくなりますので

学校までの距離や交通も考えると画用紙にまとめた方が良い場合もあります。

 

自由研究のまとめ方のコツは?

<低学年向け>自由研究のまとめ方のコツ

小学校低学年であれば、体験談を中心にまとめてみると書くことがなくて困ってしまったりオリジナリティがなかったりする内容になってしまうことを防ぐことができます。

そのためには、自由研究をしていくなかで感じたことや思ったことはメモしておき、本番の用紙に書いていく時の参考にすると良いでしょう。

また、小学生の低学年となると文章を書くこと自体苦手という子も多く、本人はわかって書いていても他者が読んだ時にいまいち意味が通じない文章になってしまうことがあります。

そのため、保護者の方は一度お子さんが作った自由研究の作品に目を通して、「この文章がわかりにくい」「ここに写真をいれてみたらどう?」とアドバイスをしてあげると、より内容の伝わる作品になります。

 

<高学年向け>自由研究のまとめ方のコツ

自分の行った自由研究を一度俯瞰してみて、「ここは理科の授業のこの内容につながるかも」「これってあれにも当てはまるかもしれない」というように、今まで得た知識との共通点や応用に着目してみるとより内容が高度な自由研究に仕上がります。

 

実際にまとめる場合の手順

りん

ここからはハル助さんに変わって、実際に子どもの自由研究を手助けした私が手順をご説明しますね。

模造紙中心の話になりますが、スケッチブックなどであっても参考になると思いますよ^^

時系列で見る手順

STEP.1
どの紙でまとめるか決める

画用紙?模造紙?ノート?

模造紙は、ホームセンターや100円均一にも売っています。厚いタイプが書きやすいと思いますが、失敗した時のことを考えて100円均一で3枚100円のものをいくつか用意しておきました。

夏休み終了間近になると模造紙は売り切れますので、早めに買っておいた方が無難です。

模造紙

 

マス目は結構大きいので十分でした。

模造紙の目

STEP.2
レイアウトを書いてみる

模造紙のように大きくまとめる場合はまず書きなれたサイズの紙にレイアウトを書いてみましょう。

STEP.3
実際の大きさの紙にレイアウトをしてみる

写真やイラストがある場合は、その大きさの紙を作ってパズルのようにするとわかりやすいですよ。

STEP.4
各内容をノートにまとめる

実験結果などに書いたノート(野帳)に書き込んでもOK。

野帳

レイアウトの関係で文字数が決まっている場合は、ここで文章の長さを調節。

STEP.5
鉛筆で下書き
不測の事態もあるので臨機応変に。

写真があれば、仮止めしておくとわかりやすいと思います。

写真仮止め

 

STEP.6
色付けを考える

模造紙などの場合、黒いペンが主となります。大人であれば途中でペンを替えて書き続けることが簡単ですが、子どもの場合はそのまま黒ペンにまま書き続けてしまう可能性があります。なので、文字の色を変える場合は付箋で印をつけておくと間違えにくいと思います。

付箋、ペン入れ前

付箋、ペン入れ後

 

STEP.7
いざ、ペン入れ5

下に新聞紙などを敷くのをお忘れなく。

模造紙の場合はサイズが大きいので床で書くことになりますが、「首が痛い」「疲れた」「膝が痛い」となりがちなので休憩を入れながらの作業になると結構時間がかかります。

「膝が痛い」場合は座布団やクッションの上で書くようにしましょう。

クッションを敷いて

 

机の上で書く場合は、サランラップの芯をつなげたものなど、そこそこ太くて長さがあるものに模造紙を巻いて書けば紙がぐちゃぐちゃにはならないです。

STEP.8
消しゴムをかける

ここは、保護者さんがやってあげた方が良いかと思います。子どもは雑なので、消しゴムをかける→紙が破ける なんてことも・・・。

大量の消しカスが出ますので、消しカスクリーナーを利用すると良いです。元々、学習用に買っていた物なのですが、安く手便利なのでこれを機に買ってみてはいかがでしょうか?

消しゴムクリーナー

※ペンの色によっては下書きの鉛筆が透けてしまうことがありますので、下書きをちょっとずつ消す→色ペンで書くことも必要だと思います。

STEP.9
写真などを貼り付ける

写真は剥がれた時用に、「年・組・名前」を書いておきましょう。

貼り付ける際は、ノリ→テープ がおススメ。

テープは一発勝負になってしまいますが、乾く前のノリであれば多少の移動も可能です。

ノリで止めた後にテープでガッツリ固定をするのは手間はかかりますが、結果、きれいに仕上がります。

STEP.10
裏打ち

学校によっては「裏打ち」を指定されることがあります。

「裏打ち」とは、補強のことです。

模造紙は端っこが弱いので、テープなどで補強します。

布のガムテープ(重ね貼りができる表面がつるつるしていないんもの)がやりやすいです。

これは、お子さんだけだと無理なので、保護者さん主導でお願いします。

きちんと補強すれば、担任の先生のウケも良いと思いますよ笑。

裏打ち

STEP.11
誤字脱字チェック

自由研究、最後の工程です。

下書きをチェックしたとしても、意外と誤字脱字が多いのが子どもです。

模造紙の場合は、余っている紙を小さく切って貼って文字を書いてみましょう。

修正

STEP.12
学校への持って行き方

写真などを貼り付けてある模造紙の場合は、小さく巻くことができません。

低学年の場合は段ボール箱を三角にして、簡易のケースを作ってあげると、きれいに持って行くことができます。

高学年であれば、持ち方さえおしえてあげれば丸めた状態でも持って行けるかと思います。

 

中身が潰れないように新聞紙を詰める

中が潰れないように

水濡れ&汚れ防止にビニール袋で包む

水濡れ、汚れ防止

大きいトートバックに入れる

大きいトートバッグで

 

最後に

本日は、現役の塾講師であるハル助さんに、低学年と高学年の自由研究についてお話していただきました。

自由研究」の全てを考えてしまうと、大人でも頭を抱える宿題になります(^^;)

でも、一つ一つ分解してお子さんと一緒に考えてみて下さい。

・どんなことに興味がある?不思議だと思った?
→テーマ

・イラストが得意?写真で説明してみる?
→まとめ方

こんなやり方で一つ一つクリアして行けば、なんとか自由研究は完成します。

夏休みの間に完成すればいいんです。

コツコツ自由研究をやって行きましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です